設立趣意書
「知識基盤社会の時代」といわれる21世紀において、我が国が引き続きリーダーシップを発揮していくためには、優れた人材の育成、先端的・独創的研究の推進がますます重要となっております。この人材育成や学術研究の担い手である大学は、国際的通用性の向上、国際競争力の強化等を目指し、さらなる大学改革に取り組み、教育研究水準の維持向上に努めることが社会から強く求められており、大学が果たすべき責務であるとされています。
平成14年8月中央教育審議会から「大学の質の保証に係る新たなシステムの構築について」の答申を行い、我が国の高等教育の国際的通用性、共通性の向上と国際競争力の強化を目指すための改革案が示されました。内容は、大学の設置認可制度の弾力化のもと第三者評価制度の導入を柱とする大学の質の保証に係る新たなシステムの構築であり、「事前規制から事後チェック」ヘと従来の文教政策を大きく転換するものであります。
この中央教育審議会の提言は、平成14年11月第155回国会における学校教育法の改正により制度化され、すべての大学に対し第三者による評価を義務づける制度が新たに導入されました。その内容は、「大学は当該大学の教育研究、組織運営及び施設設備の状況について自ら点検及び評価を行い、その結果を公表するとともに、一定期間内に文部科学大臣の認証を受けた者(以下「認証評価機関」という)による評価を受ける。」というものであり、第三者評価制度関係の法律の規定の施行は平成16年4月1日とされ、また、政令により大学が認証評価機関の評価を受ける「一定の期間」は7年以内と定められました。
日本私立大学協会は、平成12年4月から附置機関である私学高等教育研究所を設置して、主として私立大学の立場から今後必要となる「大学評価システム」の具体的在り方に関して研究を行ってきました。その結果、(1)設置運営形態の異なる国公私立大学に対して、それぞれの形態に適応できる多元的な評価システムの構築が必要、(2)私立大学の規模と多様性に対応できる柔軟かつ弾力的評価システムが必要との今後の評価の在り方について基本的認識を得たところであります。さらに平成16年4月から発足する新たな第三者評価制度については、私立大学が圧倒的多数を占める我が国の大学の特有の状況の下、私立大学の特性に対応した評価を実施する認証評価機関が必要不可欠であるとの結論に達しました。
日本私立大学協会は、ここに加盟校の総意をもって、私立大学の特性に対応した評価システムをもつ第三者評価機関を自ら設立し、認証評価機関をめざすこととしました。この新しい第三者評価機関の実施する評価事業は、公正かつ的確性が求められ、社会の信頼の上に成り立つ極めて公益性の強い業務であることから、設立する団体は日本私立大学協会の拠出金による財団法人組織といたします。財団法人設立後は、評価を行うために本財団が独自に定めた「大学評価システム」によって、文部科学大臣が認証する認証評価機関となるための申請を行うことといたします。本財団が定める「大学評価システム」においては、私立大学等から教育研究活動等の状況についての評価の申請を受理し、各大学が構想し、設定した目的、目標及び計画並びにその実施状況、成果等について、教育研究の質の向上を図る観点からの評価を実施するものといたします。高等教育の質的保証及び向上が強く求められる状況下、本財団は、評価等を通じ各大学の改革・改善を支援することとし、もって私立大学等の発展・充実に寄与しようとするものであります。
認定書
平成16(2004)年11月 | |
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平成24(2012)年3月 |
認証書
平成17(2005)年7月 | |
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平成21(2009)年9月 | |
平成22(2010)年3月 |
設立発起人
所属・役職は就任当初のものです。
- 大沼 淳
- 文化女子大学理事長・学長
- 森本 正夫
- 北海学園大学理事長
- 工藤 寛
- 前東北工業大学理事長
- 佐藤 登志郎
- 北里大学名誉学長・学園相談役
- 廣川 利男
- 東京電機大学学園長
- 中原 爽
- 参議院議員、日本歯科大学理事
- 黒田 壽二
- 金沢工業大学学園長・総長
- 小出 忠孝
- 愛知学院大学学院長・学長
- 森田 嘉一
- 京都外国語大学理事長・総長
- 石田 恒夫
- 広島経済大学理事長・学長
- 西村 駿一
- 別府大学理事長